合格ライン突破のための「理由づけ学習」

※この記事は「条文の土台をある程度整えた方」向けです。
基本がまだ不安な方は、こちらの記事から読んでいただくと理解が深まります。


なぜ条文を“覚えられない”のか

結論から言うと、
覚える必要がない部分が多いからです。

受験生時代、六法を眺めながら
「全部覚えるぞ!」と挑戦したことがありました。
特に憲法は条文が少ないため、
すべて暗記しようと意気込んでいました。

しかし、ほとんど覚えられませんでした。
ただ、それで正解でした。

行政書士試験は、
暗記ではなく理解で点が決まる試験だからです。


条文理解を深める

―審査基準と処分基準-

◆ 審査基準(行政手続法 第5条)

行政庁は、審査基準を定め、公にする(法的義務)必要があります。

◆ 処分基準(行政手続法 第12条)

行政庁は、処分基準を定め、
公にするよう努めなければならない(努力義務)とされています。


● 「審査基準は義務」「処分基準は努力義務」の理由

■ 審査基準が義務の理由

  • 申請者が「何を満たせばよいか」を事前に理解できる
  • 行政手続が予測可能になる

→ そのため、公開は必須。
つまり、法的義務とされています。
公開した方が、申請者にも行政にとっても利益があります。


■ 処分基準が努力義務の理由

  • 公開すると「ギリギリ回避」を狙う行動が生まれるおそれ
  • 基準を固定しすぎると、個別事情に柔軟に対応できない

→ そのため、公開までは求めない。
努力義務にとどめているわけです。


✦ POINT

条文には、必ず
「その条文ができた理由」があります。
理由まで理解して、初めて点になります。


“点が線になる”条文の読み方

条文を読むときは、次の3つを必ず意識します。

誰のための規定か
(申請者/一般国民/相手方)

行政に何を求めているか
(義務/裁量/公開・通知)

この規定がないと何が起きるのか
(不公正/恣意的運用/予測不能)

この3点を置くだけで、
条文の目的と背景が立体的に見えるようになります。

審査基準の公開義務も、
処分基準の努力義務も、
この3点で説明がつきます。


✦ POINT

「○○は義務」「○○は努力義務」を
丸暗記しても点は伸びにくいです。

なぜそうなのかを説明できることが、
本当の理解です。


160〜170点台で伸び悩む方へ

ここからは、
得点の底上げに直結する仕上げの考え方です。


① 選択肢を ○× だけで終わらせない

7〜10字でいいので、
「なぜ〇か」「なぜ×か」を書きます。

例:

  • 公開義務
  • 努力義務
  • 裁量確保
  • 予測可能

これだけで、
「なんとなく判断」が激減します。


② 自分語で区別を固定する

例:
審査=入口の判定
処分=出口の結論

自分の言葉に置き換えるだけで、
理解が一気に安定します。


③ 「原則・ただし・必要・相当」を囲む

文章の力点が見え、
ひっかけ問題に強くなります。


難問は捨てていい

例えば、法定地上権。

判例まで深掘りすると非常に複雑ですが、
行政書士試験では
成立要件を押さえておけば十分です。

深い判例を覚えるより、
基礎問題を確実に取り切る方が得点は安定します。


✦ POINT

行政書士試験は、
「難問を落としても受かる試験」です。

逆に、
基礎問題を落とすと合格が遠のきます。


まとめ

  • 条文学習は暗記ではなく「理由づけして理解する作業」
  • 審査基準は義務、処分基準は努力義務
  • 理由付きで説明できた知識は、点として定着する
  • 点が線になると、解法スピードと正答率が同時に上がる

本記事が、行政書士試験に取り組む方にとって、
少しでも学習のヒントになれば幸いです。