【風俗営業許可】従業者名簿完全解説(店舗責任者向け)
風俗営業を行う場合、各営業所ごとに 従業者名簿を備え付け、正しく記載し、保存する義務 があります。
従業者名簿は「警察署への提出書類」ではありませんが、店舗での管理が不十分な場合、
行政処分や罰則の対象となるため、必ず正しく整備しておきましょう。

1. 従業者名簿とは
風営法に基づき、営業者(店舗側)が必ず備え付けなければならない名簿です。
履歴書とは別に作成し、店舗に備え付ける必要あり
警察官から求められた場合は、すぐに見せられる状態にしておく
という点がポイントです。
記載内容は、従業員の確認年月日や住所など、店舗で従業員管理を行う上で必要とされる項目です。
2. 記載対象となる「従業者」とは
名簿の対象は 接客担当だけではありません。

営業所で働く人は全員が対象になります。
▼記載が必要な従業者例
- キャスト
- ホールスタッフ
- キッチンスタッフ
- アルバイト・パート
- 業務委託スタッフ
- 店舗管理者
- 経営者自身も含まれる場合あり
要するに、
「その営業所で働く全員」 が対象ということです。
3. 従業者名簿に必ず記載する項目
次の項目が必須です。
▼従業者名簿に記載すべき項目(必須)
- 氏名(ふりがな)
- 性別
- 生年月日
- 住所
- 業務の種類(担当する仕事内容)
- 採用年月日
- 退職年月日(退職時に記載)
- 氏名・住所等の確認年月日(任意)
記載のポイント
- 氏名は戸籍の名前(通称・源氏名は不可)
- 生年月日は和暦・西暦どちらでも可
- 本籍の記載が必要な場合は警察署の指示による
- 業務内容は「接客」「清掃」「調理」など具体的に
4. 名簿と一緒に保管すべき書類
従業者名簿に記載した内容が正しいか確認する必要があるため、本人確認資料も店舗で保管します。
▼本人確認資料(セットで保存)
- 住民票の写し(本籍の記載があるもの)
- パスポートのコピー
ここでの注意点:マイナンバーや運転免許証等の顔写真付きのコピーも一緒に保存しておくことをおススメします。
よくある話ですが、兄姉の身分証を勝手に持ち出しているケースがあるためです。
もし本人が顔写真付きの身分証のコピーを取ることを嫌がる場合は、
最低でも採用面接時に「提示」してもらい「実際の顔とあっているかどうか」の確認は行うべきだと考えます。
5. 名簿の保存義務(退職後3年間)
退職年月日を間違えると保存義務の計算ができなくなるため、退職時には必ず日付を記録しましょう。
また、
- 名簿を「在職者」と「退職者」に分ける。さらに年度ごとに分けて保存。
- 採用日・退職日を後からまとめて書くのはNG(即時記録が原則)
退職時、本人から従業員名簿の破棄を求められる場合があります。
破棄の求めに応じる必要はありませんので、その旨を丁寧に説明しましょう。
勝手に破棄されないためにも、従業員名簿は金庫やロックをかけたデータで管理することを推奨しております。
6. 名簿内容の「更新義務」
従業者について次のような変更があった場合、
- 氏名変更
- 住所変更
- 業務内容の異動
これらは 速やかに名簿へ反映する義務 があります。
7. 義務違反の行政処分・罰則
従業者名簿は軽く見られがちですが、違反すると重い処分が下ることがあります。
▼行政処分
- 営業停止命令
- 改善命令
▼刑事罰
- 100万円以下の罰金
名簿不備(記載漏れ、虚偽記載、保存していないなど)は、
悪質と判断されれば刑事処分の対象になります。

9. よくある質問(FAQ)
Q. 履歴書だけでいいんじゃないの?
→ ダメなんです。従業者名簿を別に作成する義務があります。
Q. 採用予定の段階で名簿に書くの?
→ 実際に勤務開始した段階で記入すればOKです。「採用予定」で書く必要はありません。
Q. 管理者も名簿に載せる?
→ はい。店舗で業務する全員が対象です。
▼まとめ
従業者名簿は風俗営業の中でも取締りが厳しい項目です。
記載漏れ・保存期間の不備・虚偽記載は「即営業停止」につながる可能性があるため、
日常的にメンテナンスすることが大切です。
当事務所ではこのように営業開始後を見据えてのアドバイスも行っております。
「知らなかった」では済まされない決まりが風俗営業では多いので、注意して運営していきましょう。