施設の構造と設備(飲食店営業許可の必須基準)
飲食店営業許可を取得するには、店舗の構造・設備が食品衛生法の基準に適合している必要があります。
以下は、福岡市の「営業施設の施設基準」をもとに、飲食店に必要な要件を整理したものです。

■ 1. 床・内壁・天井の基準
● 清掃・洗浄・消毒がしやすい素材であること
- 床・壁・天井は、清掃が容易な材料で作られている必要があります。
もし食材が付着したり、汚水がついたとしてもすぐに洗い流せる必要があるんですね。
● 水を使う店舗の追加基準
- 床は不浸透性素材で排水が良好な構造。
- 壁は腰の高さまで不浸透性素材で汚れの付着を防ぐ。
- 天井は結露が発生しにくい構造で、食品に水滴が落ちないよう換気が必要。
床や天井がもしずっと濡れたままだと不衛生なので、こういった決まりがあります。
■ 2. 給水設備
- 水道水または飲用に適した水を供給できる設備が必要。
- 井戸水の場合は、消毒装置・浄化設備が求められる。
- 貯水設備を使う場合は、食品衛生上支障がない構造であること。
要するに「ちゃんとした水を提供しなさいよ」ということですね。
■ 3. 手洗い設備
- 従業員用の流水式手洗設備を必要数設置。
- 再汚染防止のため、
- 自動式
- 足踏み式
- 肘レバー式
などの非接触タイプが望ましい。
昔ながらの回して水を出すハンドルタイプの蛇口では
回して水を出す→手を洗う→回して水を止める
の一連の動作の中で、どうしても洗った後に洗う前に触った蛇口に触れる必要があります。
再汚染を防ぐためにこの決まりができました。
■ 4. 排水設備
- 十分な排水能力を持つこと。
- 汚水の逆流により食品が汚染されない構造であること。
- 廃水や液体廃棄物が流れる区画に排水口が必要。
- 配管は十分な容量で、適切な位置に設置されていること。
※油脂分を含む汚水を排出する事業場(飲食店等)は、必ず「グリース阻集器」を設置してください
詳しくは各自治体へお問い合わせください。
■ 5. 冷蔵・冷凍設備
- 食品を衛生的に保管できる冷蔵庫・冷凍庫の設置が必要。
- 特定食品(魚介類など)を扱う場合、追加の温度基準を満たす必要あり。
常温で保存すると食材が痛みますし、家庭と違って開け閉めが頻繁になるケースではキンキンに凍らせないと衛生上よろしくない場合があります。
■ 6. 害虫・ねずみの防除
- 必要に応じてねずみや昆虫の侵入を防ぐ設備を設置。
- 侵入時に駆除できる仕組みも必要。
■ 7. 従業員用トイレ
- 作業場を汚染しない構造であること。
- 専用の流水式手洗設備を設置。
- 従業員数に応じた数のトイレを確保。
■ 8. 保管設備
● 原材料の保管
- 食材の種類や特性に応じ、適切な温度で保管できる設備。
● 洗剤・薬剤の保管
- 食品とは別区画で安全に保管できる場所を設ける。
■ 9. 廃棄物保管容器(ゴミ箱)
- 不浸透性で清掃しやすい構造。
- 十分な容量があること。
- ふた付きで、汚液や臭いが漏れないもの。
■ 10. 洗浄設備(シンク)
- 食材の洗浄・器具洗浄のために用途に応じたシンクを設置。
- 下処理や器具洗浄を行う場合、2槽以上が必要。
- 必要に応じて熱湯・蒸気の供給が可能な構造とする。
■ 11. 更衣場所
- 従業員が着替えられるスペースを設置。
- 十分な広さを確保し、作業場との動線が適切であること。
■ 12. 添加物の管理
- 添加物を使用する店舗は、
- 専用の保管場所
- 計量できる設備
を備える必要がある。
■ 13. 機械器具の基準
- 洗浄・保守・点検が可能な構造であること。
- 食品に触れる器具は、
- 耐水性
- 洗浄しやすい構造
- 熱湯・蒸気・薬剤で消毒可能
- 移動困難な機器は清掃しやすい位置に設置。
- 分解洗浄が必要な機器は、その構造を備える。
- 冷蔵・冷凍・加熱設備には温度計を設置。
▼まとめ
飲食店営業許可は、構造・設備の不備で再検査・工事のやり直しになるケースが非常に多い分野です。
- 図面のどこを直せばいいのか
- シンクの数は足りているか
- 換気設備や排水構造は基準に合っているか
これらは事前に確認することで、ムダな手戻りを防げます。