ガラス工事業の建設業許可とは

一般建設業・特定建設業の違いと専任技術者要件を徹底整理
※他の業種については以下の記事にまとめています
1.ガラス工事業とは
ガラス工事業とは、
建築物においてガラスを用いて行う工事を専門とする業種です。
建設業法上は専門工事に分類され、
建築工事や改修工事の一部として行われることも多いものの、
ガラス工事として独立して請け負う場合には、
原則としてガラス工事業の建設業許可が問題となります。
2.ガラス工事業に該当する工事の具体例

ガラス工事業に該当する代表的な工事は、次のとおりです。
- 建築用板ガラスの取付工事
- 強化ガラス・合わせガラスの設置
- ショーウインドー用ガラス工事
- ガラスブロック工事
- 防音・断熱・遮熱用ガラスの施工
これらは、
建築一式工事や内装工事の一部であっても、
ガラス部分を専門工事として請け負えばガラス工事業に該当します。
3.ガラス工事業は指定建設業ではない
ガラス工事業は、
建設業法に定める指定建設業には該当しません。
そのため、
特定建設業であっても、
専任技術者が一級国家資格者に限定されることはありません。
ただし、
指定建設業でないからといって要件が軽いわけではなく、
実務経験や資格の裏付けは厳格に審査されます。
4.一般建設業における専任技術者の要件(ガラス工事業)

一般建設業のガラス工事業では、
営業所ごとに、次のいずれかを満たす者を
常勤の専任技術者として配置する必要があります。
① 実務経験による要件
- ガラス工事に関する 10年以上の実務経験
この場合、
資格は必須ではありません。
長年、現場でガラス施工に携わってきた職人経験は、
正しく立証できれば評価されます。
② 指定学科卒業+実務経験
指定学科
- 建築学
- 土木工学
必要な実務経験年数
- 高校・専修学校卒業者:5年以上
- 高等専門学校・大学卒業者:3年以上
③ 国家資格・技能資格による要件
次の資格を有している場合、
原則として実務経験年数の証明は不要です。
- 一級建築施工管理技士
- 二級建築施工管理技士
- 技能検定(ガラス施工技能士 等)
5.特定建設業における専任技術者の要件
特定許可を取得するには、主に以下のような資格が必要です。
一級建築施工管理技士
一級建築施工管理技士補
二級建築施工管理技士(建築)
二級建築施工管理技士(躯体)
二級建築施工管理技士(仕上げ)
二級建築施工管理技士補
ガラス施工(1級)
ガラス施工(2級)
資格によってはプラスで実務経験が必要な場合があります。
6.経営業務管理責任者の要件

ガラス工事業で建設業許可を取得するためには、
経営業務管理責任者の設置が必須です。
法人の場合
- 常勤役員のうち1人
個人事業主の場合
- 本人または支配人のうち1人
この経営経験は、
ガラス工事業に限らず、
建設業全体での経営経験を合算して評価できます。
7.軽微な工事(許可が不要となる範囲)
次の場合は、
建設業許可は不要です。
- 請負金額が 500万円未満(税込) のガラス工事
ただし、
- 反復継続して工事を請け負っている
- 元請として受注している
- 今後、工事金額が拡大する見込みがある
このような場合は、
早期に許可取得を検討するのが現実的です。
8.ガラス工事業の許可取得で注意すべき点
ガラス工事業の許可申請では、
次の点が特に重要になります。
- 実際に行ってきた工事内容が「ガラス工事」と言えるか
- 下請・元請の立場や工事金額が明確か
- 実務経験の期間を客観資料で証明できるか
単に「ガラスを扱っていた」だけでは足りず、
請負工事としての実態が問われます。
9.許可取得に向けて今やるべき整理
ガラス工事業の許可取得に向けては、
- 現在保有している資格
- これまでの職歴と具体的な工事内容
- 一般建設業か特定建設業か
を、事前に整理することが不可欠です。
特に、
- 元請として大規模工事を請ける予定があるか
- 下請に出す金額が4,500万円を超える可能性があるか
は、
許可区分を決める重要な判断材料になります。
10.まとめ(結論)

ガラス工事業は、
実務経験を正しく評価してもらえる建設業許可の一つです。
制度を正確に理解し、
現状と将来計画に合った許可区分を選択することが、
最短かつ確実な許可取得につながります。