鋼構造物工事の建設業許可と技術者要件

※他の業種については以下の記事でご紹介しております
1.鋼構造物工事とは

鋼構造物工事とは、形鋼・鋼板などの鋼材を使用して構造物を築造、組立、補修する工事をいいます。
建設業法では「鋼構造物工事業」として定義されており、専門性の高い業種の一つです。
主な工事例
- 鉄骨造建築物の鉄骨工事
- 鋼橋、歩道橋、高架構造物
- 鉄塔、煙突
- タンク、サイロ
- 鋼製階段、鋼製門扉
2.鋼構造物工事は指定建設業です
鋼構造物工事は、建設業法に定められた指定建設業に該当します。
指定建設業(7業種)
- 土木一式工事
- 建築一式工事
- 電気工事
- 管工事
- 鋼構造物工事
- 舗装工事
- 造園工事
指定建設業であることから、特定建設業許可における技術者要件が他の業種より厳格に定められています。
3.一般建設業における技術者要件(鋼構造物工事)

① 資格による要件
以下のいずれかの資格を有している場合、一般建設業の鋼構造物工事における専任技術者になることができます。
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(躯体)
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士(土木)
- 技術士(建設部門 等、該当分野)
② 実務経験による要件
鋼構造物工事について、10年以上の実務経験がある場合も、一般建設業の専任技術者として認められます。
※ 一般建設業では、資格がなくても実務経験のみで申請が可能です。
4.特定建設業における技術者要件(鋼構造物工事)
【重要】実務経験のみでは特定建設業は取得できません
鋼構造物工事は指定建設業であるため、
実務経験のみ(指導監督的実務経験を含む)では、特定建設業許可は取得できません。
これは、非指定建設業との大きな違いです。
① 資格による要件(必須)
鋼構造物工事の特定建設業許可を取得するためには、
以下のいずれかの資格を有する技術者を配置することが必須です。
- 1級建築施工管理技士
- 1級土木施工管理技士
- 技術士(建設部門 等、該当分野)
- 1級建築士
👉 2級施工管理技士や実務経験のみでは要件を満たしません。
② 指導監督的実務経験は認められません
鋼構造物工事は指定建設業であるため、
- 4,500万円以上の元請工事
- 2年以上の指導監督的実務経験
があったとしても、
それだけでは特定建設業の技術者要件を満たすことはできません。
この点は、左官工事などの非指定建設業とは異なる重要なポイントです。
5.一般建設業と特定建設業の違い(鋼構造物工事)
| 区分 | 技術者要件 |
|---|---|
| 一般建設業 | 2級資格または10年実務経験でも可 |
| 特定建設業 | 1級資格等が必須(実務経験のみ不可) |
6.注意点

- 鋼構造物工事は指定建設業のため、特定建設業のハードルが非常に高い業種です。
- 「実務経験が豊富だから特定が取れる」という考えは、鋼構造物工事では通用しません。
- 技術者の資格内容は、申請前に必ず精査する必要があります。
結論
鋼構造物工事は指定建設業であり、特定建設業許可は1級資格者等がいなければ取得できません。
実務経験のみ、または指導監督的実務経験による申請は認められていない点に注意が必要です。