電気通信工事業の建設業許可

一般建設業・特定建設業の違いと
専任技術者・経営業務管理責任者(経管)要件を徹底整理
※他の業種については以下の記事で解説しています
結論

電気通信工事業の建設業許可は、
- 一般建設業・特定建設業ともに、実務経験を基礎に許可取得が可能
- 特定建設業であっても、一級国家資格が必須とは限らない
- 専任技術者と経営業務管理責任者(経管)は、一般・特定を問わず必須
という特徴があります。
実務上の最大の注意点は、
「電気工事業との業種区分」と、
特定建設業における指導監督的実務経験の立証です。
1.電気通信工事業とは
電気通信工事業とは、
有線・無線による情報通信設備の設置・変更・修理等を行い、
通信機能を確保するための工事をいいます。
代表的な工事例
- 電話・LAN・光ファイバー設備工事
- インターネット回線・通信ケーブル敷設工事
- 携帯電話基地局設備工事
- 防犯カメラ・監視カメラ設置工事
- 放送設備・情報表示設備工事
※ 電力供給を主目的とする場合は「電気工事業」に該当
※ 通信機能の構築・維持が主目的かどうかが業種判断の基準
2.建設業許可の区分(一般建設業/特定建設業)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 一般建設業 | 下請工事・比較的小規模な元請工事 |
| 特定建設業 | 元請として4,500万円以上の下請工事を出す場合 |
※ 電気通信工事業は指定建設業ではありません
3.専任技術者の要件【一般建設業】

営業所ごとに、常勤の専任技術者を配置する必要があります。
① 実務経験による要件
- 電気通信工事に関する実務経験 10年以上
- 学歴・資格は不要
※ 通信設備施工、配線、機器設置、工程管理等への関与が評価対象
② 指定学科卒業+実務経験
指定学科例
- 電気工学
- 通信工学 等
必要な実務経験年数
- 大学・高等専門学校卒:3年以上
- 高校卒:5年以上
③ 資格による要件
以下の資格を保有していれば、
実務経験年数の証明は不要です。
- 2級電気通信工事施工管理技士
- 1級電気通信工事施工管理技士
- 電気通信主任技術者 実務経験5年
- 電気通信工事担任者 実務経験3年
4.専任技術者の要件【特定建設業】
前提(重要)
電気通信工事業は指定建設業ではないため、
特定建設業であっても一級国家資格が必須とは限りません。
① 資格で申請する場合
- 1級電気通信工事施工管理技士
- 技術士(該当部門)
② 指導監督的実務経験で申請する場合
次のすべてを満たす必要があります。
- 一般建設業の電気通信工事業における
専任技術者要件を満たしていること - 請負金額4,500万円以上の電気通信工事
- 元請として
- 2年以上
- 指導監督的立場で施工管理を行った実務経験
※ 工程・品質・安全・下請管理を総合的に統括
※ 単なる作業員、名義上の現場責任者は不可
5.経営業務管理責任者(経管)の要件

共通ルール
- 一般・特定を問わず 必須
- 電気通信工事業に限らず、建設業全体での経営経験を評価
- 専任技術者との 兼任は可能
① 建設業の経営経験5年以上
以下のいずれかの立場で、
建設業の経営に5年以上関与していること。
- 法人の常勤役員
- 個人事業主
- 支配人
※ 電気工事業等、他業種との合算可
② 経営経験+補佐経験の組み合わせ
- 建設業の経営経験:2年以上
- 建設業における経営業務補佐経験:3年以上
補佐業務例
- 財務管理
- 労務管理
- 受注・契約管理 等
6.専任技術者と経管の兼任
- 制度上は 兼任可能
- ただし、常勤性・業務実態・工事件数は厳格に審査
7.軽微な工事(許可不要)
電気通信工事の請負金額が
500万円未満(税込)の場合、建設業許可は不要です。
ただし、
- 元請として継続的に受注する
- 大型施設・基地局工事を主力にする
場合は、
早期の許可取得が実務上有利です。
8.実務上の注意点
- 「電気工事業」との区分ミスが多い
- 通信機能の構築が主目的かどうかが判断基準
- 特定建設業では
4,500万円以上・元請・指導監督の立証が最大のハードル
結論(再整理)
電気通信工事業の建設業許可は、
- 一般建設業:
現場経験を活かしやすい - 特定建設業:
大規模通信工事の元請経験があれば、資格なしでも取得可能性あり
という構造です。
許可実務で最も重要なのは、
業種区分の正確な整理と
専任技術者・経管要件を切り分けて考えることです。