消防施設工事業の建設業許可

一般建設業・特定建設業の違いと
専任技術者・経営業務管理責任者(経管)要件を徹底整理

※他の業種については以下の記事で解説しています
結論
消防施設工事業の建設業許可は、
- 一般建設業・特定建設業ともに、実務経験を基礎に許可取得が可能
- 特定建設業であっても、一級国家資格が必須とは限らない
- 専任技術者と経営業務管理責任者(経管)は、一般・特定を問わず必須
という特徴があります。
実務上の最大の注意点は、
「電気工事・管工事との業種区分」と、
特定建設業における指導監督的実務経験の立証です。
1.消防施設工事業とは
消防施設工事業とは、
火災の予防・初期消火・避難確保を目的として、
消防用設備等を設置・改修・整備する工事をいいます。
代表的な工事例
- 屋内・屋外消火栓設備工事
- スプリンクラー設備工事
- 自動火災報知設備工事
- 非常警報設備・非常放送設備工事
- 誘導灯・避難器具の設置工事
※ 電気配線のみが主目的の場合は「電気工事」に該当する可能性あり
※ 配管工事のみが主の場合は「管工事」に該当する可能性あり
※ 消防設備としての機能一式を構成するかどうかが業種判断の基準
2.建設業許可の区分(一般建設業/特定建設業)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 一般建設業 | 下請工事・比較的小規模な元請工事 |
| 特定建設業 | 元請として4,500万円以上の下請工事を出す場合 |
※ 消防施設工事業は指定建設業ではありません
3.専任技術者の要件【一般建設業】

営業所ごとに、常勤の専任技術者を配置する必要があります。
① 実務経験による要件
- 消防施設工事に関する実務経験 10年以上
- 学歴・資格は不要
※ 消防設備の施工、点検補助、配線・配管、施工管理等への関与が評価対象
② 指定学科卒業+実務経験
指定学科例
- 電気工学
- 機械工学
- 建築学
必要な実務経験年数
- 大学・高等専門学校卒:3年以上
- 高校卒:5年以上
③ 資格による要件
以下の資格を保有していれば、
実務経験年数の証明は不要です。
- 消防設備士(甲種・乙種)
4.専任技術者の要件【特定建設業】
前提
消防施設工事業は指定建設業ではありませんが、
資格は必須となります。
② 資格プラス指導監督的実務経験
次のすべてを満たす必要があります。
- 一般建設業の消防施設工事業における
資格(消防設備士)要件を満たしていること - 請負金額4,500万円以上の消防施設工事
- 元請として
- 2年以上
- 指導監督的立場で施工管理を行った実務経験
※ 工程・品質・安全・下請管理を総合的に統括
※ 単なる作業員、名義上の現場責任者は不可
5.経営業務管理責任者(経管)の要件

共通ルール
- 一般・特定を問わず 必須
- 消防施設工事業に限らず、建設業全体での経営経験を評価
- 専任技術者との 兼任は可能
① 建設業の経営経験5年以上
以下のいずれかの立場で、
建設業の経営に5年以上関与していること。
- 法人の常勤役員
- 個人事業主
- 支配人
※ 電気工事業・管工事業等との合算可
② 経営経験+補佐経験の組み合わせ
- 建設業の経営経験:2年以上
- 建設業における経営業務補佐経験:3年以上
補佐業務例
- 財務管理
- 労務管理
- 受注・契約管理 等
6.専任技術者と経管の兼任
- 制度上は 兼任可能
- ただし、常勤性・業務実態・工事件数は厳格に審査
7.軽微な工事(許可不要)
消防施設工事の請負金額が
500万円未満(税込)の場合、建設業許可は不要です。
ただし、
- 元請として継続的に受注する
- 商業施設・病院・公共施設を主に扱う
場合は、
早期の許可取得が実務上ほぼ必須です。
8.実務上の注意点

- 「電気工事」「管工事」との区分ミスが非常に多い
- 消防設備として一体で請け負っているかが判断基準
- 特定建設業では
4,500万円以上・元請・指導監督の立証が最大の壁
結論(再整理)
消防施設工事業の建設業許可は、
- 一般建設業:
消防設備・電気・配管の現場経験を活かしやすい - 特定建設業:
大規模施設の元請経験があれば、取得可能性あり
という構造です。
許可実務で最も重要なのは、
業種区分(電気工事・管工事との切り分け)と
専任技術者・経管要件を分解して整理することです。