清掃施設工事業の建設業許可
一般建設業・特定建設業の違いと
専任技術者・経営業務管理責任者(経管)要件を徹底整理
※他の業種については以下の記事で解説しています
結論(最初に要点)

清掃施設工事業の建設業許可は、次のような特徴があります。
・一般建設業・特定建設業ともに、実務経験を基礎に許可取得が可能
・特定建設業であっても、一級国家資格が必須とは限らない
・専任技術者と経営業務管理責任者(経管)は、一般・特定を問わず必須
実務上の最大の注意点は、
他の施設系工事との業種区分と、
特定建設業における指導監督的実務経験の立証です。
1.清掃施設工事業とは
清掃施設工事業とは、
し尿処理施設、ごみ処理施設、廃棄物処理施設等において、
清掃・処理を行うための設備や施設を設置・改修・整備する工事をいいます。
日常的な清掃作業や運転管理業務は含まれず、
施設そのものを造る、改修する工事が対象です。
代表的な工事例
・し尿処理施設の建設・改修工事
・ごみ焼却施設の建設・改修工事
・最終処分場の整備工事
・リサイクル処理施設の設置工事
・廃棄物処理設備の更新工事
機械設備のみの設置が主となる場合は、
機械器具設置工事に該当する可能性があります。
建築工事や土木工事が主体となる場合は、
それぞれ該当する業種で判断されます。
清掃処理施設として一体的に整備されるかどうかが、
業種判断の基準となります。

2.建設業許可の区分(一般建設業・特定建設業)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 一般建設業 | 下請工事・比較的小規模な元請工事 |
| 特定建設業 | 元請として4,500万円以上の下請工事を出す場合 |
清掃施設工事業は指定建設業ではありません。
3.専任技術者の要件(一般建設業)
営業所ごとに、常勤の専任技術者を配置する必要があります。
① 実務経験による要件
清掃施設工事に関する実務経験が10年以上必要です。
学歴や資格は不要です。
評価対象となる実務には、
廃棄物処理施設の施工、設備設置、改修工事、施工管理等への関与が含まれます。
② 指定学科卒業と実務経験
指定学科の例は次のとおりです。
・機械工学
・建築学
・土木工学
・衛生工学 等
必要な実務経験年数は、
大学・高等専門学校卒業の場合は3年以上、
高校卒業の場合は5年以上です。
③ 資格による要件
次の資格を保有している場合、
実務経験年数の証明は不要です。
・衛生工学「廃棄物・資源循環」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物・資源
循環」)
4.専任技術者の要件(特定建設業)
前提(重要)
清掃施設工事業は指定建設業ではないため、
特定建設業であっても一級国家資格が必須とは限りません。
① 資格で申請する場合
・衛生工学「廃棄物・資源循環」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物・資源
循環」)
② 指導監督的実務経験で申請する場合
次のすべてを満たす必要があります。
・一般建設業の清掃施設工事業における専任技術者要件を満たしていること
・請負金額4,500万円以上の清掃施設工事であること
・元請として受注していること
・2年以上、指導監督的立場で施工管理を行っていること
指導監督的立場とは、
工程・品質・安全・下請管理を総合的に統括する立場をいいます。
単なる作業員や名義上の現場責任者は認められません。
5.経営業務管理責任者(経管)の要件

共通ルール
一般建設業・特定建設業を問わず必須です。
清掃施設工事業に限らず、建設業全体での経営経験が評価されます。
専任技術者との兼任は可能です。
① 建設業の経営経験5年以上
次のいずれかの立場で、
建設業の経営に5年以上関与している必要があります。
・法人の常勤役員
・個人事業主
・支配人
他の建設業種との合算も可能です。
② 経営経験と補佐経験の組み合わせ
・建設業の経営経験が2年以上
・建設業における経営業務補佐経験が3年以上
補佐業務の例は、
財務管理、労務管理、受注管理、契約管理等です。
6.専任技術者と経管の兼任
制度上は兼任可能です。
ただし、常勤性、業務実態、工事件数については、
実務上かなり厳格に審査されます。
7.軽微な工事(許可不要)
清掃施設工事の請負金額が
500万円未満(税込)の場合、建設業許可は不要です。
ただし、
元請として継続的に受注する場合や、
自治体案件や公共施設を主に扱う場合は、
早期の許可取得が実務上ほぼ必須となります。
8.実務上の注意点(非常に重要)

清掃施設工事は、
機械器具設置工事や土木工事との区分ミスが多い業種です。
施設全体として清掃処理機能を構成しているかどうかが判断基準となります。
特定建設業では、
4,500万円以上、元請、指導監督的立場という三点の立証が、
最大のハードルになります。
結論(再整理)
清掃施設工事業の建設業許可は、
一般建設業では、
廃棄物処理施設や設備工事の現場経験を活かしやすく、
特定建設業では、
大規模施設の元請経験があれば、
資格がなくても取得できる可能性がある、
という構造です。
許可実務で最も重要なのは、
業種区分の整理と、
専任技術者要件・経管要件を切り分けて整理することです。