管工事業の建設業許可とは

一般建設業と特定建設業の違い・専任技術者要件を徹底整理
※他の業種については以下の記事で解説しています
結論

管工事業は、
建設業法上の指定建設業に該当する業種であり、
特定建設業の許可を取得する場合は、
一級の国家資格者等でなければ専任技術者になれません。
ただし、
電気工事業等とは異なり、
無資格者の実務経験であっても
要件を満たせば、一般建設業の専任技術者として認められる
という点が、大きな違いです。
そのため、
一般建設業か特定建設業かを見誤ると、
「経験はあるのに許可が取れない」という事態が起こります。
1.管工事業とは
管工事業とは、
冷暖房、空調、給排水、衛生設備、ガス配管など、
管を使用して行う設備工事を指します。
建設業法上は専門工事に分類され、
設備系工事の中核をなす業種です。

2.管工事業に該当する工事の具体例
管工事業に該当する代表的な工事は次のとおりです。
冷暖房設備工事
空気調和設備工事
給排水・給湯設備工事
衛生設備工事
ガス管配管工事
消火設備配管工事
ダクト工事
これらは、
建築工事やリフォーム工事の一部であっても、
管工事として独立して請け負えば管工事業に該当します。
3.管工事業は「指定建設業」
管工事業は、
建設業法で定める指定建設業です。
指定建設業とは、
総合的な施工技術や高度な管理能力が求められ、
社会的責任が特に大きいとされる業種です。
この指定の影響は、
特定建設業の専任技術者要件に強く表れます。
4.一般建設業における専任技術者の要件

一般建設業の管工事業では、
次のいずれかを満たす人を、
営業所ごとに常勤で配置する必要があります。
実務経験による要件
管工事に関する実務経験が10年以上ある人
この場合、
資格は必須ではありません。
指定学科卒業者+実務経験
指定学科
建築学
土木工学
機械工学
衛生工学
必要な実務経験年数
高校・専修学校卒業者 5年以上
高等専門学校・大学卒業者 3年以上
国家資格による要件
次の資格を有していれば、
実務経験年数の証明は不要です。
一級管工事施工管理技士
二級管工事施工管理技士
技術士(衛生工学部門、機械部門など該当部門)
5.特定建設業における専任技術者の厳格な制限
管工事業で特定建設業許可を取得する場合、
専任技術者は次の者に限られます。
一級管工事施工管理技士
技術士(該当部門)
国土交通大臣が認定した者
実務経験のみでは、
管工事業の特定建設業の専任技術者になることはできません。
この点は、
一般建設業との決定的な違いです。
6.経営業務管理責任者の要件

管工事業でも、
建設業許可を取得するためには、
経営業務管理責任者の設置が必須です。
法人
常勤役員のうち1人
個人事業主
本人または支配人のうち1人
管工事業に限らず、
建設業全体での経営経験を
合算して評価することが可能です。
7.軽微な工事(許可不要)
次の場合は、
建設業許可は不要です。
請負金額が500万円未満(税込)の管工事
ただし、
金額が軽微であっても、
反復継続して請け負う場合や、
元請として受注する場合は、
将来的に許可取得を前提に検討すべきです。
8.許可取得に向けて今やるべき整理
管工事業の許可取得では、
現在の保有資格
過去の職歴と工事内容
一般建設業か特定建設業か
を一つ一つ整理することが重要です。
特に、
将来的に元請として大型案件を請ける予定があるか
下請に出す金額が4,500万円を超える可能性があるか
によって、
最初から特定建設業を目指すべきかどうかが変わります。
9.まとめ
管工事業は、
一般建設業と特定建設業で
専任技術者要件が大きく異なる業種です。
実務経験が活かせる場合もあれば、
一級資格がなければ前に進めない場合もあります。
だからこそ、
制度を正確に理解し、
現状に合った許可区分を選択することが、
最短での許可取得につながります。