しゅんせつ工事業の建設業許可

一般建設業・特定建設業の違いと専任技術者・経営業務管理責任者(経管)要件を徹底整理
※他の業種については以下の記事で解説しています
結論

しゅんせつ工事業の建設業許可は、
- 一般建設業・特定建設業ともに、実務経験を基礎に許可取得が可能
- 特定建設業であっても、一級国家資格が必須とは限らない
- 専任技術者と経営業務管理責任者(経管)は、一般・特定を問わず必須
という特徴があります。
特に実務上は、
「土木一式工事等との業種区分」と「特定建設業における指導監督的実務経験の立証」
が許可可否を左右する最大のポイントになります。
1.しゅんせつ工事業とは

しゅんせつ工事業とは、
河川・港湾・海底・湖沼などに堆積した土砂・泥・砂利等を掘削し、除去・浚渫(しゅんせつ)する工事をいいます。
代表的な工事例
- 河川の浚渫工事
- 港湾・漁港の浚渫工事
- 航路・泊地の浚渫工事
- ダム・湖沼の堆積土砂除去工事
- 海底ケーブル敷設に伴う浚渫工事
※ 陸上掘削が主であれば「土木一式工事」や「とび・土工・コンクリート工事」に該当する場合あり
※ 水中・水域での浚渫行為が工事の中心かどうかが業種判断の基準
2.建設業許可の区分(一般建設業/特定建設業)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 一般建設業 | 下請工事・比較的小規模な元請工事 |
| 特定建設業 | 元請として4,500万円以上の下請工事を出す場合 |
※ しゅんせつ工事業は指定建設業ではありません
3.専任技術者の要件【一般建設業】

営業所ごとに、常勤の専任技術者を配置する必要があります。
① 実務経験による要件
- しゅんせつ工事に関する実務経験10年以上
- 学歴・資格は不要
※ 浚渫船の運用、掘削・排土管理、水中施工管理等に関与していることが求められます
② 指定学科卒業+実務経験
指定学科例
- 土木工学
- 建設工学
必要な実務経験年数
- 大学・高等専門学校卒:3年以上
- 高校卒:5年以上
③ 資格による要件
以下の資格を保有していれば、
実務経験年数の証明は不要です。
- 2級土木施工管理技士
- 1級土木施工管理技士
- 技術士(該当部門)
4.専任技術者の要件【特定建設業】
前提(重要)
しゅんせつ工事業は指定建設業ではないため、
特定建設業であっても一級国家資格が必須とは限りません。
① 資格で申請する場合
- 1級土木施工管理技士
- 技術士(該当部門)
② 指導監督的実務経験で申請する場合
次のすべてを満たす必要があります。
- 一般建設業のしゅんせつ工事業における専任技術者要件を満たしている
- 請負金額4,500万円以上のしゅんせつ工事
- 元請として
- 2年以上
- 指導監督的立場で施工管理を行った実務経験があること
※ 工程・品質・安全・下請管理を総合的に統括している必要あり
※ 単なる作業従事や名義上の責任者では認められません
5.経営業務管理責任者(経管)の要件

共通ルール
- 一般・特定を問わず 必須
- しゅんせつ工事業に限らず、建設業全体での経営経験を評価
- 専任技術者との 兼任は可能
① 建設業の経営経験5年以上
以下のいずれかの立場で、
建設業の経営に5年以上関与していること。
- 法人の常勤役員
- 個人事業主
- 支配人
※ 他業種(土木一式工事等)との合算可
② 経営経験+補佐経験の組み合わせ
- 建設業の経営経験:2年以上
- 建設業における経営業務補佐経験:3年以上
補佐業務例:
- 財務管理
- 労務管理
- 受注・契約管理 等
6.専任技術者と経管の兼任
- 制度上は 兼任可能
- ただし、常勤性・業務実態・工事件数については厳格に審査されます
7.軽微な工事(許可不要)
しゅんせつ工事の請負金額が
**500万円未満(税込)**の場合、建設業許可は不要です。
ただし、
- 元請として継続的に受注する
- 河川・港湾など公共性の高い工事を扱う予定がある
場合は、
早期の許可取得が実務上有利です。
8.実務上の注意点

- 「土木一式工事」「とび・土工・コンクリート工事」との区分ミスが多い
- 水中・水域での浚渫行為が主かどうかが判断基準
- 特定建設業では
4,500万円以上・元請・指導監督の立証が最大のハードル