古物商許可申請での定款原本証明について

法人での古物商許可申請には、定款の原本証明が必要となります。

この記事では原本証明とはなにか、その方法や注意点を解説します。
※糟屋警察署の運用を例に記事を作成しています

1.定款の原本証明とは

定款の原本証明とは、
提出する定款の写しが、会社に保管されている定款原本と相違ないことを、会社自身が証明することをいいます。

重要なのは、次の点です。

  • 行政書士や第三者が行うものではない
  • 原本を保管している法人が、自ら証明する

つまり、「会社が責任をもって本物だと保証する行為」が原本証明です。


2.なぜ古物商許可申請で原本証明が求められるのか

法人の古物商許可申請では、定款の写しを提出します。
警察署側は、その定款について次の点を確認しています。

  • 本当にその法人の定款か
  • 内容が改ざんされていないか
  • 事業目的に古物営業が含まれているか

そのため、定款の真正性を担保する手段として、
原本証明付きの提出を求める警察署があります。

※なお、原本証明の要否は警察署ごとの運用であり、全国一律ではありません。


3.原本証明ができるのは誰か

原本証明を行えるのは、法人の代表者のみです。

  • 株式会社:代表取締役
  • 合同会社:代表社員

行政書士が代理で原本証明を行うことはできません。


4.原本証明の具体的なやり方

① 定款原本を用意する

  • 公証人認証済みの定款
  • 会社で正式に保管している定款

② 定款を全文コピーする

  • 表紙
  • 条文すべて
  • 附則
  • 最終ページ

1ページでも欠けると原本証明にはなりません。

③ 証明文を作成する

原本証明には、決まった様式はありません。
ただし、次の要素は必須です。

  • 原本と相違ない旨
  • 証明日
  • 法人名
  • 代表者の役職・氏名
  • 代表者印

【当事務所での証明文例】

この定款の写しは、当会社の現行の定款原本と相違ないことを証明します。

④ 証明文の記載方法

定款コピーの最終ページに直接記載します。
手書きでもパソコンでの印字でも問題ありません。

⑤ 押印

代表者印(会社の実印)を押印します。
全ページの見開き部分と、先ほど記載した証明分の位置に押印します。


5.よくある誤解と注意点

  • 公証人の認証が必要?
     → 不要です(それは定款作成時の手続)
  • 印鑑証明必要?
     →以前は必要でしたが、現在は不要です。
  • 行政書士が原本証明できる?
     → できません
  • 一部抜粋で提出していい?
     → 不可です(全文一致が前提)
  • 必ず原本証明が必要?
     → 警察署の運用次第です

6.実務上のポイント

古物商許可申請では、
「この警察署では原本証明が必要か」
を事前に確認することが、最も確実で合理的です。

不要な書類を準備しても問題はありませんが、
不足があると申請が受理されない可能性があります。


結論

定款の原本証明とは、法人の代表者が、定款の写しについて「原本と完全に同一である」と証明する行為です。
特別な様式や外部手続は不要で、全文コピーした定款に証明文を記載し、代表者が押印すれば足ります。
古物商許可申請では、警察署の運用に応じて提出が求められるため、事前確認が最も重要です。