古物営業における取引記録・帳簿管理のルール
― 買取・売却・帳簿・電子記録・保存期間まで ―
古物営業では、取引の内容や方法に応じて
帳簿(または帳簿に準ずる書類)への記載方法や保存方法が定められています。

本記事では、古物営業者が実務で迷いやすい
買取・売却に関する取引記録のルールを、体系的に整理します。
1.取引記録の基本ルール
古物営業では、次のいずれかの方法で取引記録を行う必要があります。
- 帳簿への記載
- 帳簿に準ずる書類(取引伝票等)による記録
- 電磁的方法(パソコン等)による記録
いずれの方法であっても、
法令で定められた事項が正確に記録・保存されていることが前提です。
2.帳簿に準ずる書類(取引伝票)で記録する場合

帳簿の代わりに、取引ごとの伝票や明細書を使用することも可能です。
編綴方法
- 取引の順にとじ合わせて保管する必要があります
- 営業所または古物市場ごとに管理します
これは、後日取引の経過を時系列で確認できる状態を確保するためです。
3.取引記録の保存方法と保存期間
① 紙(帳簿・取引伝票)の場合
- 保存方法:取引順にとじ合わせて保管
- 保存期間:最終の記載日から 3年間
② 電磁的方法(パソコン等)による記録の場合

電磁的方法による記録も認められていますが、次の要件を満たす必要があります。
必須要件
- 要求があった場合、直ちに書面として表示(印刷)できること
実務上の取扱い
- 取引データを
本社・本部のコンピュータで一括管理することも可能 - ただし、各営業所または古物市場には
印刷に必要な機器等を備え付けておく必要があります
※ 記録すべき取引が存在しない営業所については、
印刷機器の設置までは求められません。
保存期間
- 電磁記録も 記録した日から3年間保存
4.本社一括管理の場合、営業所に帳簿は必要か
原則
- 帳簿または帳簿に準ずる書類は
各営業所ごとに備え付ける必要があります
例外(電磁的方法による管理)
- 本社で一括管理していて、
- 各営業所で
- 直ちに
- 正確に
- 印刷できる体制
が整っていれば、帳簿備付義務を満たします。
- 各営業所で
印刷できない場合
- 印刷体制がない営業所については、
帳簿または帳簿に準ずる書類を当該営業所に備え付ける必要があります
5.古書籍の買取における帳簿記載

結論
- 古書籍の買取は、取引金額にかかわらず帳簿記載が必要です
帳簿に準ずる書類での対応
帳簿そのものではなく、次の事項をすべて記載していれば、
業界で使用されている 買取確認書・買取明細書等でも認められます。
必須記載事項
- 取引の年月日
- 古物の品目および数量
- 古物の特徴
- 相手方の住所・氏名・職業・年齢
- 相手方確認の措置の区分等
※ 書籍の場合
- 書名
- 種類ごとの冊数
といった記載方法も認められています。
6.宝石の特徴はどこまで記載すべきか
原則的な考え方
- 物品を特定できるかどうかが判断基準です。
記載方法
- シリアルナンバーがある場合
→ その番号を記載 - ナンバーがない場合
→ 宝石の
- 種類
- 大きさ
- 色
など、当該宝石を特定できる範囲の特徴を記載します。

7.帳簿方式から電磁的方法へ変更する場合
届出の要否
- 警察署等への届出は不要
注意点
- それまで使用していた帳簿・書類については、
最終記載日から3年間の保存義務があります。
8.複数営業所がある場合の買取・売却帳簿の管理
買取の場合
- 各営業所ごとに
- 買取に関する帳簿等を作成
- 当該営業所に備え付ける必要があります
集約して売却する場合
- 実際に売却を行う
展示場・販売拠点において、- 売却帳簿等を備え付ければ足ります
※ 売却を行わない営業所に、
売却帳簿を備え付ける必要はありません。
9.メルカリ・ヤフオクでの帳簿への記帳義務はある?
メルカリ・ヤフオクでも帳簿の管理は必須です。
ついつい忘れがちになりますが、管理を徹底していきましょう。
結論(実務要点)

- 帳簿・取引伝票・電子記録はいずれも使用可能
- 保存期間は すべて3年間
- 電子管理でも 即時印刷できる体制が必須
- 古書籍の買取は 金額に関係なく記録義務あり
- 宝石は 物品を特定できる程度の特徴記載が必要
- 複数営業所では
- 買取:各営業所
- 売却:実際に売却する拠点
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